会社設立に必要な印鑑の基礎知識や選び方まで解説!
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お役立ちコラム編集部
会社設立の際には、法人登記に必要な会社の印鑑が不可欠です。また、会社設立後の事業運営においても、さまざまな場面で印鑑を使う必要があります。会社で利用する印鑑にはいくつかの種類が存在し、用途や形状によって異なります。
ここで、会社設立時に必要となる印鑑の種類、選び方のポイント、および注意すべき点について詳しく解説します。
目次
会社設立時に印鑑が必要な理由
会社設立にあたっては、法務局への商業登記が必須です。かつては、商業登記(会社設立)の際に代表者印として実印の登録が求められました。しかし、近年の行政の見直しにより、押印の義務が廃止され、現在ではオンラインでの会社設立登記において印鑑登録は任意となっています。
このような会社設立手続きの変化にもかかわらず、事業運営においては引き続き押印が求められる場面が少なくありません。例えば、契約書や取引文書への署名・押印は、法的効力を持たせるために重要です。
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また、取引先との信頼関係を構築する上でも、きちんとした印鑑を用意しておくことが必要です。
実際、会社設立時に印鑑が必要な理由は、信頼性や権威性を示すためだけでなく、実務面でも活用されるからです。具体的には、取引契約や重要な文書において代表者印や会社印が求められることが多いです。たとえば、法務局への書類提出や銀行口座の開設、取引先との契約書締結時など、様々な場面で印鑑が必要になります。
印鑑の種類や用途も多岐にわたります。代表者印や会社印、角印といった法人用の印鑑は、それぞれ役割が異なります。これらの印鑑を適切に使い分けることで、ビジネスの円滑な運営が実現できます。
また、会社設立時には印鑑届出書や代表者個人の印鑑証明書などの書類も用意しなければなりません。これらの書類は、会社の実印を法務局に登録するために必要です。実印の登録は、会社の信頼性を高めるだけでなく、取引先や法務機関とのやり取りをスムーズに進めるためにも重要です。
以上のように、会社設立時には印鑑を用意することが重要です。会社の印鑑は、事業を円滑に進めるための重要な道具であり、適切な種類と使い方を理解しておくことが求められます。
会社設立に必要な印鑑に関連する参考記事
会社の設立時に必要な印鑑は?種類や代表印(会社実印)の選び方
会社設立時に必要な印鑑の種類
会社設立の際、事業運営をスムーズに進めるためにはさまざまな種類の印鑑を用意することが重要です。ここでは、一般的に会社で利用される4種類の印鑑について、詳細な説明をいたします。
代表者印(会社実印)
代表者印、または会社実印は、法務局に印鑑届書を提出して登録する会社の正式な印鑑です。この印鑑は会社の印鑑証明書としても使われ、一般的には直径18mmの丸印が多いです。印鑑届書には印鑑のサイズに関する規定があります。印鑑の辺の長さが1cm以上3cm以内である正方形の中に収まる必要があります。
会社の実印は、各種契約書や不動産取引など重要なビジネスシーンで利用されます。他の印鑑がなくても問題はありませんが、次に説明する銀行印や角印、ゴム印を用意しておくと、事業運営の効率が向上します。
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重要な契約時には、実印を金庫などでしっかりと保管し、セキュリティに配慮することが大切です。
銀行印
銀行印は、その名前の通り、銀行口座の開設や銀行取引に用いられる印鑑です。代表者印で代用することも可能ですが、銀行印を別に用意することで、代表者印の紛失や悪用のリスクを軽減することができます。最近はカードを使用した取引が増えているため、銀行印を作成せず、代表者印や角印、ゴム印の組み合わせで運用するケースも見られます。
おすすめ記事:会社設立時に必要となる印鑑の種類とは
角印
角印は、「会社印」や「社判」などと呼ばれる角型の印鑑です。請求書などのビジネス文書に押印されることが多く、個人における認印のような位置づけです。角印を利用しなくても請求書の効力には影響しませんが、代表者印と分けて使用することで、万が一の悪用リスクを軽減できます。角印には特にサイズ制限はありません。
ゴム印
会社のゴム印は、事務の効率化を図るために作成されるスタンプです。一般的には、会社名、住所、電話番号、代表者名などを記載したゴム印を作成します。タテ型やヨコ型があり、サイズもさまざまです。ゴム印は社名や社長名を記載する際や、領収書、封筒に社名を記入する際などに手書きの手間を省くことができます。
会社設立時にさまざまな種類の印鑑を用意することで、事業運営の効率が向上します。各印鑑の役割や用途を理解し、適切に使い分けることが、会社設立後の運営において重要です。
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これらの印鑑は会社設立時から用意しておくことをおすすめします。
会社設立時に必要となる法人の印鑑をまとめると以下のようになります。
印鑑の種類 | 役割(用途) |
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代表者印(実印) | ・登記申請書への押印 ・各種契約書への押印 ・委任状への押印 ・官公庁への入札などのような公的機関に提出する書類への押印 |
銀行印 | ・法人用の銀行口座の開設届出書への押印 ・銀行取引に関する書類への押印 |
角印 | ・社内文書への押印 ・領収書や発注書、見積書などへの押印 ・郵便物の受取印 |
ゴム印 | 社名や代表者名、法人住所、電話番号などの記載が必要な書類・封筒への押印 |
会社設立時に必要な印鑑を選ぶポイント
会社設立時に必要な印鑑を選ぶ際には、個人の印鑑を選ぶときとは異なるポイントがいくつか存在します。ここでは、会社設立時に必要な印鑑を選ぶ際の重要なポイントについて詳しく説明します。
印鑑の種類に応じた大きさを選ぶ
会社設立時に必要な印鑑を選ぶ際には、印鑑の種類ごとに適切な大きさを選ぶことが重要です。代表印(会社実印)は法務局に登録するための印鑑で、規定された大きさがありますが、その他の印鑑には特に制約がありません。しかし、印鑑の大きさのバランスは、角印>代表印>銀行印とするのが一般的です。
・角印のサイズ目安は一辺21mmまたは24mm
・代表印のサイズは18mmの丸印が一般的
・銀行印のサイズは16.5mmの丸印が目安
会社設立時の印鑑に関するポイント!
会社名の文字数によっては、印鑑の大きさを調整する必要があるため、印影のプレビューで確認してから選ぶとよいでしょう。
判読性が低い書体を選ぶ
会社設立時に必要な印鑑を選ぶ際のポイントのひとつに、判読性の低い書体の選択があります。これは偽造を防止するための対策です。特に代表印には、篆書体(てんしょたい)や吉相体(きっそうたい)がよく採用されます。これらの書体は文字と枠が密接しており、欠けにくい特徴があります。
角印には古印体(こいんたい)など、可読性の高い書体が選ばれることが多いです。同じ書体でも文字の種類や画数、文字数によって印鑑の印象が変わるので、社名に合わせた書体の選択が重要です。
耐久性の高い素材を選ぶ
印鑑の素材は、耐久性が高く長持ちするものを選ぶことが大切です。会社の印鑑は長期的に使用するため、摩耗しにくく変形のない素材を選ぶと良いでしょう。
・一般的な素材:柘(つげ)という素材ですが、黒水牛は耐久性が高く、チタンは強度と高級感があるため人気があります。
・その他の素材:薩摩本柘(さつまほんつげ)や彩樺(さいか)は、耐久性とコストのバランスが良いため会社の印鑑に適しています。
印鑑の選択には、会社設立時に適した種類や素材、サイズを考慮することが重要です。これにより、会社運営がスムーズに進むだけでなく、長期的な視点で安全かつ効率的な事業展開が可能になります。
会社設立に必要な印鑑に関連する参考記事
会社設立に必要な印鑑は?種類や役割、用意する際のポイントを解説
会社設立時に必要な印鑑の購入方法
会社設立時に必要な印鑑は、実店舗で購入するか、インターネット通販を利用することで手に入れることができます。それぞれの購入方法にはメリットとデメリットがありますので、自分の状況に合わせて選択すると良いでしょう。
実店舗で購入するメリット・デメリット
実店舗で印鑑を購入する最大のメリットは、実物を見て確かめながら選ぶことができる点です。印鑑のサイズ感や素材、手触りを確認しながら選べるため、後悔することなく最適な印鑑を選ぶことができます。また、印鑑のプロに直接相談できるため、デザインや素材についてアドバイスを受けられるのも実店舗ならではの魅力です。
デメリットとしては、受け取りまでに時間がかかる場合があることが挙げられます。特に印鑑の注文が増える2~3月は、1~2週間かかることもあります。また、価格がインターネット通販と比べて高くなる傾向があるため、予算を考慮して選ぶ必要があります。
インターネット通販で購入するメリット・デメリット
インターネット通販で印鑑を購入するメリットは、豊富な種類の印鑑を手軽に選べること、価格がリーズナブルであること、即日配送が可能な点などがあります。多くの通販サイトでは、実印や銀行印、角印のセットをお得な価格で提供しているため、予算を抑えたい場合には特におすすめです。
デメリットとしては、実物を確認できないため、注文後に届いた印鑑がイメージと異なる可能性があることです。また、実印などの法的な規定を自分で調べる必要があるため、事前に情報を収集する手間がかかるかもしれません。
いずれの購入方法もそれぞれメリットとデメリットがあるため、自分のニーズや予算に合わせて選択することが大切です。会社設立時に最適な印鑑を選ぶためには、事前にリサーチを行い、自分に合った購入方法を選びましょう。
会社設立に必要な印鑑に関連する参考サイト
会社設立3本セット【実印・銀行印・角印】印鑑のハンコヤドットコム
会社設立時に印鑑を用意する際の注意点
会社設立時に印鑑を用意する際には、価格と品質のバランスをしっかりと注意する必要があります。印鑑は企業活動の中で頻繁に使用されることが多いため、長期的な視点で選ぶことが重要です。以下に、印鑑選びの注意点を詳しく説明します。
耐久性と信頼性
印鑑は会社設立時に用意した後、長く使い続けるものです。そのため、耐久性と信頼性の高い素材を選ぶことが重要です。安価な印鑑は耐久性が低い素材で作られていることが多く、短期間で摩耗や損傷が生じる可能性があります。また、品質が低いため印影が不鮮明になるリスクもあり、重要な書類に押印する際にトラブルが発生することがあります。注文前には必ず印影のプレビューをチェックし、希望する文字やデザインが正確に反映されているなども十分に確認しましょう。
セキュリティと偽造リスク
会社の印鑑は会社設立時だけではなく重要な契約や取引の際に使われるため、セキュリティ面にも配慮が必要です。安価な印鑑は偽造のリスクが高まり、企業の信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。セキュリティ性の高いデザインや書体を選ぶことで、偽造リスクを低減することができます。
企業イメージの保持
印鑑は会社の顔とも言える存在です。安価で品質の低い印鑑を使用すると、企業の信頼性や専門性に対する評価が低下する恐れがあります。印鑑は企業の信頼性や信用度に直結するため、品質と信頼性を重視して選ぶことが求められますので、慎重に判断しましょう。
会社設立時に印鑑を用意する際には、上記のような注意点があげられます。その他にも、信頼できる店舗で購入することもとても大切なポイントです。実店舗やオンラインストアを選ぶ際は、口コミや評判を確認して信頼できる業者を見極めましょう。印鑑は企業活動において欠かせません。会社設立時に信頼性と効率をサポートするために、あらゆる面を考慮して慎重に選ぶことが大切です。選ぶ際にはこれらの注意点を念頭に置いて、企業の顔となる印鑑を選んでください。
会社設立に必要な印鑑に関連する参考記事
会社設立・起業時におすすめの法人印鑑4種類!激安品の注意点
会社設立時の印鑑 -その他おすすめポイント-
印鑑セットの購入
会社設立にあたって、印鑑はその会社の象徴となる重要なアイテムです。長い間使い続けることを前提に、慎重に選びましょう。会社設立時に印鑑を揃える際には、代表者印、銀行印、角印、ゴム印をセットで購入することをおすすめします。それぞれの印鑑は異なる用途に使われるため、会社設立時にはセットで揃えることで統一感を持たせることができます。
契約書の押印には代表者印のみでも問題ありませんが、社名の横に角印を併用する慣例があります。このため、会社設立時にすべての印鑑をまとめて用意することは効率的です。印鑑を購入する際は、オンラインショップや実店舗で素材やデザインを比較検討し、助言を受けることも検討してみましょう。印鑑と一緒に、耐久性のある印箱や朱肉、マットも揃えておくと良いでしょう。
印鑑証明書の発行手続き
会社設立時には印鑑証明書の発行手続きも重要です。現在は印鑑の提出が任意ですが、会社設立の際には法務局で登記が完了した後に印鑑証明書を取得することをおすすめします。登記申請時に法務局へ印鑑カード交付申請書を提出することで、登記以降の印鑑証明書の取得が可能となります。
印鑑証明書は、会社設立後もさまざまな場面で求められます。法人口座の開設時、不動産の売買契約、取引先からの本人照会、営業車両の車庫証明など、重要な手続きや契約で必要となることが多いため、印鑑の用意と併せて早めに準備しておきましょう。税理士など専門家のアドバイスや支援を受けながら、印鑑、印鑑証明書の用意等をしっかりと行うと、会社設立がとてもスムーズに進めることができるのでおすすめです。
会社設立に必要な印鑑に関連する参考サイト
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まとめ
今回は、会社設立に必要な印鑑の基礎知識や選び方や注意点など解説しました。会社設立に伴う印鑑の準備は、設立手続きの重要な一環です。
会社設立時の印鑑の選び方には、使用頻度や予算、個人の好みによる多様な選択肢があります。印鑑を選ぶ際は、品質、材質、形状、書体はもちろん信頼できる業者を見極め、慎重に検討しましょう。
会社設立時に必要な印鑑の購入は実店舗とインターネットの両方で可能ですが、メリットやデメリットも考慮しなければなりません。会社設立時は「コストを抑えたい」と思うことが多いかと思いますが、そのような場合にはオンライン購入が選択肢として適しています。
いずれにせよ注文から手元に届くまでには一定の時間がかかるため、会社設立前に必要なタイミングも計算し、早めに行動しておくことが重要です。
さらに、会社設立には印鑑以外にも多くの準備が必要です。会社設立の手続きを円滑に進めるためには、税理士など会社設立に強い専門家のサポートを受けることも最適な方法の一つです。会社設立の専門家のアドバイスや支援を受けることで、会社設立に関する手続きや会社設立の要件の確認がスムーズに行えます。
会社設立前から印鑑の選定や準備を怠らず、効率的に進めることで、会社設立のプロセスがスムーズに進行します。会社設立後は、法人用印鑑を活用して事業活動を円滑に進められるよう、税理士など会社設立の専門家のアドバイスを受け、早めに会社設立に必要な手続きや会社設立の準備を計画的に行いましょう。
会社設立に必要な印鑑に関連する参考サイト
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